300年ほんとかい。

サイカチの樹に会いに行きました。

 

本来は北海道は分布域ではなく、どうして北海道にこの樹が存在するかは分からないそうですが、神社の鳥居の横に樹齢300年の貫禄でどっしりと根付いた姿は男性的でもあり、でも毎年訪ねるたび、母性を感じる佇まいです。

 

初めて訪ねたときは、写真の枝には棘があって、それがサイカチの特徴です。この棘がまわりのものを威圧して寄せ付けない姿をしていることから、「激しい怒りとその後の悲しみ、不調和を招く強い自己主張、相手を威圧し攻撃することで自分を守ろうとする」というテーマを持つフラワーエッセンスにもなっています。

 

それが・・昨年訪れたときから棘がなくなていました。昨年、30年来お世話になってその後疎遠になってしまった方にお会いして和解できた、その帰り道に立ち寄りました。そしたら枝にとげがなく、威圧感のある姿には似つかない優しい愛のある姿に。

 

草一本、虫一匹寄せ付けない空気間を漂わせていた大樹に、草花が添い、蝉のぬけがらが絡んで、いきものたちに慕われるどっしりした母性を漂わせていました。

 

樹齢300年のサイカチの生活史に、30年の人生は短く、その和解が樹の姿を変えたとは思えませんが、今回再会して、一段と穏やかになっている姿に、もうたたかわなくてよい世界の訪れを感じました。恐れない、怒らない、悲しまない、本来の自分軸をもった姿へと、私たちを導いてくれているかのようでした。大樹の空気感に触れて、見をもって棘を手放した安定感に威厳を感じました。これがサイカチの樹の本来のメッセージなのかもしれない、と思いました。

 

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処暑次候・第41候

(七十二候) 

ようやく少し暑さが落ち着いてきました。

残暑の風の中に秋の気配を感じます。

夏疲れを癒して、次の季節を迎えられますように。